皆さんこんにちはルリアゲハです。「天は人の上に人を作らず」というフレーズで有名な『学問のすすめ』。あなたは、福沢諭吉の学問のすすめを読んだことがありますか?
という人もいるかもしれません。
しかし、学問のすすめは普遍的な内容が書かれています。きっと読み終わったときには
と気づくでしょう。それくらい長期間使える考えばかりです。
今回は齊藤考さんが現代語訳した『現代語訳 学問のすすめ』を基に学問のすすめの内容を、高校生ブロガーの私が解説していきます。
この記事を読めば
- 学問のすすめはどんな内容なのか
- 作者の福沢諭吉について
- 学ぶことの本質的な意味
- 今回紹介した現代語訳 学問のすすめについて
分かります。
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目次
学問のすすめの内容
学問のすすめの内容を一言で言うと、学問の重要性について書かれた本です。学問のすすめが刊行された明治初期はあることが求められていました。何なのでしょうか。
それは
どうすれば日本を植民地化から守り、近代化できるのか
です。学問のすすめは近代化のする方法を日本人に広めるために書かれました。
また、日本や外国(主に西欧諸国)の書物、歴史、風習などからピックアップして取り上げているのも特徴です。例えば日本のものでは、
- 江戸時代の幕府が絶対という常識
- 忠臣蔵
- 今川義元と桶狭間の戦い
- 日本の毎日風呂に入るという習慣
外国のものでは
- 中国の華夷思想
- ルターの宗教改革(ヨーロッパ)
- 普仏戦争(プロイセン フランス)
- 西洋諸国のスピーチという習慣
などが効果的に取り上げられています。
しかし、本自体は色々な内容が取り上げられています。色々な内容の例を挙げると
- 学問の重要性
- 政治や法
- 豊かな国を作るために国民がすべきこと
- 判断力を鍛えるには
- 人付き合いについて
などです。なので、自分の興味のある所から読めるようになっています。
そして、今回紹介する現代語訳 学問のすすめは
文語→現代語
に訳されている本です。
- 自分の好きな所から読める構成
- 現代語訳
という点からあなたのイメージよりも読みやすい本ですよ。
現代語訳 学問のすすめ 著者&訳者紹介
著者:福沢諭吉
学問のすすめの著者は一万円札でおなじみ、福沢諭吉です。きっとみんな分かりますよね。福沢諭吉は幕末から明治時代にかけて教育の分野で活躍しました。あの慶応義塾大学の創設に関わった人ですね。
なぜ福沢諭吉は学問のすすめを書いたのでしょうか?
その理由は当時の日本には学問が必要と考えたからです。元々福沢諭吉は蘭学者で、オランダ語を学んでいました。しかし、日本が開国されて、
「これからの時代はオランダ語じゃなくて、英語だ」
と気づきます。
そして、西欧諸国がどれほど発展した国かや、植民地になった国の惨状を目の当たりにしました。開国した日本を植民地支配から守り、西欧諸国と並ぶ国にするには学問が必要と考えます。
つまり、福沢諭吉は日本人の意識を変えるために学問のすすめを書いたのです。
現代語訳:齋藤孝
そして、学問のすすめを現代語訳したのは齊藤孝(さいとうたかし)さんです。齊藤孝さんは大学教授で、東京大学法学部を卒業しました。さらに同大学の教育学研究科博士課程を経ています。
なぜ学問のすすめの現代語訳版を出したのでしょうか?きっかけは大学生に
「学問のすすめを読んだことがあるか?」
と聞いたことでした。聞いてみるとなんと、読んだことがある人はほとんどいなかったのです。
「もしかすると、文語で書かれているから読まないのかもしれない」
と思い、現代語訳版を作ることにしたそうです。
齊藤孝さんの他の著書としては、『声に出して読みたい日本語』や
『現代語訳 論語』などがあります。ちなみに、まんがでわかる福沢諭吉『学問のすすめ』という本もありますよ。
本から得た学び
学問のすすめ現代語訳を読んで得たのは
- 天は人の上に人を作らず~の真意
- 学ぶことの本質的な意味
- 個人の独立の大事さ
- 相手の言うことを鵜呑みにしないこと
の四つです。それぞれ紹介していきますね。
天は人の上に人を作らず~の真意
有名なフレーズ、「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」は「人はみんな平等なんだよ」と言いたいわけではありません。 このフレーズの後に続く内容をまとめると下のようになります。
人はみんな平等と言われているが、実際は人は平等なんかではない。世の中には賢い人も愚かな人もいる。なぜそんな雲泥の差が出来るのだろうか。理由は簡単だ。賢い人と愚かな人の差は学ぶかどうかでできるものである。
最初の「みんな平等」というイメージと全然違いますね。つまり、人は平等ではないし、学ばないと豊かになれないということです。
学ぶことの本質的な意味
学問のすすめという題名の通り、なぜ学ぶのかという答えがわかります。その答えというのは、より豊かになるためです。
「なんで世の中はこんなに不条理なんだ」
と思う人もいるかもしれません。学問のすすめではこう語っています。
つまり、人は生まれたときには、貴賤や貧富の区別はない。ただ、しっかり学問をして物事をよく知っているものは、社会的地位が高く、豊かな人となり、学ばない人は貧乏で地位の低い人となる、ということだ。
出典:現代語訳 学問のすすめ 福沢諭吉 齊藤孝=訳 筑摩書房 2009年2月10日発行
そして、福沢諭吉は学問は日常生活で活かせてこそ意味があると言っています。
個人の独立の大事さ
学問のすすめでは個人が独立して生きる大切さを説いています。ここでいう独立というのは、誰かに依存せずに生計を立てるというだけではありません。精神的な独立も指しているのです。
精神的な独立というのはどういうことでしょうか。 簡単に言うと、自分の価値観で生きるということです。例えば、
- 物の支配から抜け出す
- 他人の真似ばかりするのを止める
ということですね。
服を例にすると、
物の支配というのは、
と言って、手に入ると、また違う服が欲しくなることです。この状態だと、いつまでたっても心が満たされないですよね。
また、みんなが着ているからという基準だけで服を選んでも、同じように、ずっと満足できないです。
服に限らず、今の時代は物も溢れていますよね。さらに、色々なものが欲しくなる広告の誘惑もあります。
なので、自分の価値観で物事を決められないと、心が満たされずにお金ばかりが無くなっていきます。
他には独立できないとどうなるのでしょうか?本では下のように語っています。
独立の気概がない者は、必ず人に頼るようになる。人に頼る者は、必ずその人を恐れることになる。人を恐れる者は、必ずその人間にへつらうようになる。
出典:現代語訳 学問のすすめ 福沢諭吉 齊藤孝=訳 筑摩書房 2009年2月10日発行
つまり、誰かに依存してしまうと、
と不安を感じ、自分を助けてくれる人にずっとゴマを擦り続けます。
こうなるとなかなか抜け出せません。
それでは、どうすればいいのでしょうか?やはり、学問を修めることが個人の独立に欠かせません。
相手の言うことを鵜吞みにしないこと
学問のすすめには判断力を鍛えなさいという内容のパートがあります。このパートで批判しているのは、西欧を妄信するあまり、西欧の悪い点までも真似しているということです。それでは、どうすれば良いのでしょうか?福沢諭吉は学問のすすめで
「どれが正しいか見分けられるようになるには、学問が必要」
と答えています。
あなたも
- 周りの人たちが言っていたから
- なんか権威のある人が言ってるから
- それが常識だから
と相手の言うことを鵜呑みにしていませんか?今の時代は情報が溢れています。
そんな時代で結果の出せる人は、
「たくさんある中から正しい情報を見つけて、行動に移せる人」
です。正しい情報を見つけるためには学ぶことが必要ですよね。
と思ったかもしれません。
私なりの答えとしては歴史(つまり過去)を学ぶことです。私のサイト、ルリアゲハの英語&歴史塾では、
高校世界史についての記事もあるので良ければご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は学問のすすめ 現代語訳を基に、学問のすすめの内容について解説しました。
今回紹介した本の内容をまとめると
- 学問のすすめは福沢諭吉が学問の重要性を説くために書いた
- 天は人の上に人を造らずというフレーズ=平等という意味ではない
- 学問をする意味=個人と国が独立して、みんなで豊かになるため
- 判断力を鍛えるには学問が必須
という感じです。
正直に言って、全国民が読むべきというほど良書です。確かに、小手先のテクニックは少ないかもしれません。しかし、明治初期に出されて今まで読み続けられた本なので、この先何十年も使えるでしょう。
さあ、学問のすすめ 現代語訳を読んで、あなたの未来を変えてみませんか?
最後まで読んでいただきありがとうございます。